現場にAEDが必要な理由
私の姉が救急救命士の仕事をしており、いろいろと興味本位で聞いていたこともあり、AEDの大切さについて学びました!
徒歩圏内1分の所にAEDがない場合には、これを参考にAEDの必要性について学ぶきっかけになればと思います。
AEDが必要な場面とは?
AEDが必要な場面ってどんなときでしょう?
医療用語も出てきますが、一つずつ順を追って説明していきたいと思います!
いきなり、医療用語が飛んできますが、AEDが必要な場面とは、
心室細動(しんしつさいどう)の状態の時です。
いきなり、なんだそれと思いますよね笑
では、心室細動とは?
心室が不規則にけいれんを起こし、血液を送り出せない状態。
心臓からの血液が停止し、6秒で意識消失。
数分以内に、死に至る可能性が高い、最も危険な不整脈。
とんでもなく、怖い状況です・・・
心室細動の原因とは?
心筋梗塞や電解質異常
利用者さんでどのような方が、心筋梗塞や電解質異常のリスクが高いかというと...
- 心筋梗塞は、脳梗塞を起こした利用者であれば、可能性が高い。
- 電解質異常は、食生活や水分、脱水などと密接にかかわっている。
このことからも、すべての利用者に心室細動が起こる可能性があります。
心室細動に効果があるのは、AEDのみ!
心室細動は、1分ごとに約10%致死率が上がる。
10分後の致死率は、限りなく100%に近い死亡率。
心臓マッサージによって、心室細胞の状態は維持できるものの、より早いAEDの使用が致死率を下げることにつながります。
下の画像を見ると、心室細動の状態からの救命率は、救急隊が到着した時点でかなり低いことがわかります。
心臓突然死の対策などAEDの知識|日本AED財団 (aed-zaidan.jp)
AED(自動体外式除細動器)とは|AED オムロン ヘルスケア (omron.co.jp)
片道1分以内にAEDがあることが理想。
5分以内に電気ショックを行うことが重要になります。
AEDによる救命率は?
一般市民に目撃された心肺停止の胸骨圧迫+AEDの使用で1か月後の生存率が53.2%となっている。
AED(自動体外式除細動器)とは|AED オムロン ヘルスケア (omron.co.jp)
救急隊が到着するまでの平均時間が、8分半(8.6分)というデータがあるようです。
AEDを使わずに救急隊の到着を待っているだけでは、死亡率が上がる一方です。
そのため・・・
施設内にAEDは必要!
ということがわかります。
救急救命士にAED必要性についてヒアリングしました!
- 素人の心臓マッサージは、効果が薄い可能性が高い。
- 適切な強さで心臓マッサージをしなければいけない。
- 疲れてくると力が入らなくなり、さらに効果が薄くなる
- 心臓マッサージは、かなりの重労働である。一人で長時間行うのは大変。
- 心臓マッサージを行うものが交代するたびに、心肺停止が起こる。
- 心室細胞を早期にAEDによって除細動(正常な心臓の動きに戻す)ことによって、心臓マッサージを行わなくてもよい状態になる。
- 利用者さん自身への負担、スタッフへの負担を減らすことも可能。
- 心肺停止が脳の信号が途絶える、脳からくる可能性もあるが、その場合も含め、AEDが判断してくれる。
心肺停止は、心室細動以外の要因からくるものもあります。それには、AEDの効果はありません。
しかし、目で見て、心肺停止がどの要因から来ているものなのか、当然介護現場にいる者たちだけでは判断できません。
ですが、ご心配無用です。
AEDが必要な状況は、AEDが判断してくれます!!
AEDは、脈を読み取ることで、心室細動なのか判断でき、どのような対処が必要かというガイドラインの役割にもなってくれるのです。
まとめ
心室細動の状態が続くのは、約5分間
5分後には、AEDを使用しても心室細動から除細動に戻る可能性は限りなく低くなります。
要するに、AEDは、心室細動状態の約5分間のために必要であるともとれます。
優先順位的には、
「AED > 心臓マッサージ」。
心臓マッサージは、あくまでも心室細動状態を保つ、対処療法である。
(何もしないと救命率は、7~10%の低下)
5分以内に心室細動に対する電気ショックを行うことで、救命率を2倍に引き上げることができます。
利用者さんのみならず、健康なスタッフ自身も心室細動になる可能性を秘めており、万が一の際に双方にとっても効果があります。
皆さんの通われている施設には、AEDはありますか?
ないとするなら、片道1分以内にAEDはありますか?
専門家にはかないませんので、間違いがあれば指摘してください。